
皆様、新年おめでとうございます。
昨年後半は、本ブログへの創作は開店休業状態となってしまっていましたが、今年は毎月コンスタントにブログの創作を続けてまいりたいと思いますので、ご愛読のほど引き続きましてどうぞよろしくお願いします。
昨年12月に日本に出張で行ったときの海外からの一旅行者という視点で本年最初のブログを書き出してみます。昨年は日本には1年ぶりに1度きりしか行きませんでしたので、ほぼ毎月のように出張でアメリカ国内を飛び回っているときとの比較を鮮明に胸に刻むことができました。そのいくつかを皆様ともシェアさせていただきます。
出張中はほぼ東京都内に滞在していたのですが、移動で利用するJR山手線各駅にある通称「駅なか」と呼ばれているらしい改札口中に位置しているさまざまなお店、とりわけレストランやベーカリー、そして書店の充実振りはアメリカからきた旅行者の目を見張るものがありました。それらのお店が駅の改札口を出ない中で目白押しだというところがミソで、列車の乗換駅である上野駅や品川駅での駅なかが特に充実していたように感じました。アメリカの地方の空港よりもよっぽど充実した店ぞろいで、JRが考え出した「駅なか戦略」、なかなかのものと感心しきりでした。
次に通勤電車の中での携帯電話の使用状況を見てみると、まだ大部分の人がスマホではない旧式の携帯を使ってのテキストメッセージ作成に余念がなく、この光景は1年前のものと大差ありませんでした。アメリカにいると日本から入ってくるインターネット上でのニュースでは、アップルとサムソンのスマホが日本の携帯市場を席巻しているように感じていたので、電車内でのスマホ・ユーザーが思ったよりも少なかった光景は、私には少々意外に映りました。スマホユーザー数に関しては、アメリカの方が日本をはるか圧倒しているように思えました。アメリカ人は、あまり年齢とは関係なく、新し好きの人がきっと多いということなのかもしれません。
そして最後に取り上げたいのが、本ブログのタイトルにもなっている日本が本当に観光立国を目指しているのだろうかと疑いたくなるような事象です。それは、私のような海外からの旅行者にとっての街中や移動中におけるインターネットの接続です。それこそiPadやスマホを持っていれば、どこに行ってたって接続できるではないかといわれそうですが、私のような旧態のPC派にとっては、どこに行くのでもノートパソコンを自分のブリーフケースに入れて持ち運びます。そうするとアメリカでは、空港内やスターバックではもちろんのこと、図書館などの公共の場所や展示会会場、ショッピングセンター、スーパーマーケットでもフリーのWiFiが使える環境がますます完備されるようになっています。それに比べると、東京都内のスターバックスでもそのような環境になっていないことには、大いなる不便を覚えました。
スターバックスなどには、WiFiのホットスポットは用意されて入るのですが、日本のどこかのインターネットプロバイダーに入っていないとネットには接続できないようになっていて、 いくら奮闘してやってみてもWiFiへのアクセスに成功することはかないませんでした。海外からの旅行者は、日本でのインターネットのサービスに加入しているわけがないのですから、海外旅行者へ提供するサービスなどという考え方は、はなから想定もされていないわけです。ですが、旅行者にとって、ネットで列車の時刻表を調べたり、訪問場所の地図にアクセスするということは絶対にできた方がよいに決まっていることです。そんなことも想定されずにいて、日本は世界の冠たる観光立国を目指すなどといわれても、こちらとしてはただただ苦笑いすることぐらいしかできません。
日本の国交省の統計によると2010年の訪日外国人数は約860万人であったそうで、2011年は東日本大震災と福島第一原発事故とによって、大幅に減少し、さらに今年後半は領土問題での中国人観光客の激減ということで、2012年も2010年の数字を上回ってはいないだろうと考えられます。それを国は2016年には1800万人まで増やし、さらに2020年には2500万人まで持っていくという大そうな目標を掲げているのです。日本らしく掛け声だけはいつも立派なのですが、何もしないで目標の達成などできるわけがなく、このままではいけば絵に描いた餅で終わるのは火を見るよりも明らかです。
スターバックスでも通じないインターネットのお寒い状況に絶望感を抱いていたときに、ダメもとでJR有楽町駅の真ん前にある有楽町ビルの地下1階にあるスターバックスになぜか再度気を取り直して入ってみたところ、この有楽町ビル本体が提供しているまさに海外旅行者向けのWiFiがあることがわかり、ついにフリーでアクセスすることができたのです。この貴重なアクセススポットを偶然にも見つけたことで、東京滞在中はほぼ毎日私は有楽町駅まで行って、有楽町ビル地下1階のスターバックスでメールのやりとりを夢中になって行っていました。
日本の官僚や業界のお偉いさんたちがいくら日本を海外からの世界屈指の観光スポットにしようと非現実的な目標だけを立ち上げても、自分たちが旅行者の立場に立ってものを考えない限り、日本はいつまでたっても観光立国には程遠い存在でしかないでしょう。日本は恵まれた自然や四季、そして伝統行事や寺院、そして世界有数の温泉、素晴らしい食文化などを保有しているのですから、観光立国になるべきハードの部分はとっくに揃っているのです。ですが何せソフトの部分がまだまだ追いついていないという貧弱な面を今回の日本でのつながらないインターネット環境から強く考えさせられた次第でありました。
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