
しかも職を失った260万人のうち、190万人が2008年9月から12月までの過去4ヶ月間に集中していたということですから、金融危機に端を発した経済危機があっという間に全米中に飛び火したということをまさに如実に物語っています。 全米の中で最も失業率が高いのが、倒産の危機に瀕しているビックスリーの本社のお膝元でありますミシガン州で、11月の失業率は、9.6%だったそうです。 私の住むオレゴン州も全米で5番目に高い失業率で、8.1%でした。(いずれも昨年11月の統計、12月の州レベルの統計は、1月20日にリリースされる予定)
ミシガン州を筆頭にして、全米での失業率ワースト5の州をあげますと、カリフォルニア州、ロードアイランド州、サウスカロライナ州、そしてオレゴン州ということになります。 いずれも、未曾有の住宅関連産業と自動車産業の低迷から、製造業全般への大幅な落ち込みへと発展し、カリフォルニア州では、さらに自動車ディラーが軒並み倒産に追い込まれている状態だということです。
さてそれでは、全米いずれの州も皆大変な大不況とその影響をもろに受けた高い失業率に苦しめられているかというと、その影響を最小限度に食い止めている州というか、地域があるのも事実です。 その地域とは、ワイオミング州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、ネブラスカ州、ユタ州の5つの州で、いずれも3%台の失業率を昨年中でも保ったままで推移しています。 昨年11月時点で失業率が最も低かった州は、ワイオミング州で3.2%でした。 これらの州は、基本的には、農業や牧畜主体の地域で、人間よりも家畜の数の方が多い、人口過疎地域ですから、失業率が低いというのは、分かる気もしないではないですが、やはりちょっと意外です。
要因は、ここ1,2年の穀物相場の活況と特にトウモロコシなどを使ったエタノール製造などで農家やその周辺産業が大変潤っているからなのだそうです。 しかし、昨年後半から原油価格もピーク時の三分の一以下に落ち込み、エネルギー自体の消費全体もこの大不況で相当落ちているはずですから、国の代替エネルギー政策に押されて、活況をもたらした穀物相場やエタノール需要などについても今年は懐疑的な見方がなされています。 しかしそれでも、人口の少ないこれら地域が3%台の失業率をキープし続けているということは、失業率の高い州からしてみれば、何らかの参考にしなければならない政策上のヒントが、どこかに隠されているのではないかというような気にもなります。
ニューヨークでもホームレスの人々がかなり増えてきたというニュースを聞きましたし、先日、ポートランドのダウンタウン付近で夜食事をして、路上を歩いていましたら、ビルの入り口近くでその夜を明かそうとして暖を取り始めている人々がけっこういることを観察いたしました。 毎日仕事があって、通勤できる会社のオフィスがまだ存在していることだけでも、本当に有難く思わなければならない、まさにそれが昨今のアメリカ雇用戦線であるといえるでしょうね。
アメリカでは、日本のように非正社員から首を切るというような方針は特にあるわけでなく、大企業にあっては、むしろ正社員の方を切ることの方がコスト削減効果が高いとあって、正社員の人の方がいつ自分の番がまわってくるのかと、毎日戦々恐々としている状態が続いています。 いったいいつになったらこの大不況が底を脱して、上向きに転じることができるのか、オバマ新大統領のグリーン・ニューディール政策による最大400万人の雇用創出に一縷の望みを託したいと、大不況の最前線にあるオレゴン州の一零細企業の日本人経営者としては、淡い希望をいまやつないでいくしかないところです。
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