
メディアによれば、ペイリンは、この討論会にそなえて、アリゾナにあるマケインの別宅に3日間缶詰状態で、討論会のための猛特訓を受けたと伝えられていましたので、ではその一夜漬けに近い結果はさもありなんとの好奇の目が、本討論会に拍車をかけた形で、このような高視聴率が実現されたようです。 確かに彼女の本番での受け答えは、やはり一夜漬けをしたから出てきたような回答振りが随所に見られましたが、それでもほぼすべての質問に対して、今までの彼女の単独テレビインタビューから比較をすれば、そつなくこなしたといってよいのではないでしょうか。(ただし、米国の核使用時期についての質問には、はっきり言ってペイリンは質問をよく理解していなかったか、あるいは意図的に質問から答えをはぐらかそうとしたかのいずれかで、まったく回答としてはなってなかった!)
ペイリンのテレビ映りの良い、華やかさのある容姿を見ながら、これはきっとハリウッド映画が今度女性大統領を登場させる新作映画を作る機会があれば、ペイリンがその筆頭候補に挙がることだけはほぼ間違いなしと討論会を見ながら感じました。 これは別にペイリンをけなしていたり、差別をしているわけではないのですが、どうも副大統領になる共和党からの候補者というよりは、映画女優で今後ハリウッドに詣でることの方がはまっているという印象がどうしてもありました。
彼女は、もちろん現役のアラスカ州知事で、たまたま共和党の副大統領候補に選ばれ、今回の討論会ではその片鱗を全米、いや世界中の人々に見せつけたといってもよいでしょう。 彼女の頭脳明晰さと聴衆を引きつける魅力的な才覚などについても並みの大抵のレベルではありません。 それらに対して異論を唱えるようなことはまったくないのですが、どうも現実の世界においては、このペイリンが副大統領候補になっていること自体が私には、まるで映画の世界での絵空事にしか感じられないのは一体どうしてなのでしょうか。
いずれにしても、ペイリンがこのテレビ討論会という鬼門を無事通過できたことで、全米の人々もそっと胸をなでおろして安堵の念をきっと覚えているはずです。 ハラハラドキドキ、一種の怖いもの見たさでテレビの前に釘付けになった御仁がアメリカでは、何千万人もいたわけですが、いざ討論会を終えてみると、きわめてまっとうな討論会に終始していて、相手の足をすくったり、非難したりわめいたりするようなこともない、失言もない、正々堂々と論戦が尽くされたきわめてレベルの高いディベートであったかと考えます。
さて、ペイリンが無難に討論会をこなしたことで、共和党のマケイン側は、少しはオバマ陣営に対して巻き返しをはかることが出来たのでしょうか。 この副大統領候補のテレビ討論会後の世論調査結果を見る限り、そのような結果には至っていません。 いやむしろバイデンの副大統領としての資質をあらためて全米中にアピールする結果に終わったといっても過言ではありません。 その結果、さらにオバマがリードを広げる気配が濃厚となる状況です。 私としては、副大統領候補の討論会が終わったところで、気が早いといわれるかもしれませんが、すでに今回の大統領選は、ほぼ勝負があった、つまりオバマが当確なのではないかなという自信に近い感触を抱いています。
アメリカの新聞などは、ペイリンは、討論会はとてもよくやったがやはり所詮は、アラスカの「ホッケーママ」(あるいは、「サッカーママ」)だという論調が目に付きます。 こういっては副大統領候補には失礼かもしれませんが、アラスカの地で、地元民とローカル・コミュニティのために政治力と5人の子持ちである母親パワーとを遺憾なく発揮してもらうことが、彼女にとって最も板についた活躍場所なのではないかと思います。 人気取りだけでの今回の人選はいただけませんね。
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