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先日出張で初めてアラスカに行く機会がありました。アラスカもアメリカの地図上でいえば、西海岸、つまりウエスト・コーストではあるのですが、今まで私にとってはまったく縁のない州でした。それは、州自体の人口もアメリカで最も広大な面積を誇る州でありながら70万人弱ということで、人口がそれだけ少なければビジネスチャンスも少なくなるのは当然の話です。人口は少ないものの、水産物と鉱物資源に恵まれた州であるということを知り、一部の日系企業も巧みにその恩恵に浴していることがわかってきて、私のビジネスにもようやくつながってきたというところで、アラスカへの出張がついに実現したという次第です。
 
今回は、カナダとの国境線にも近い、アラスカ中央部に位置するオーロラが見える町として有名なフェアバンクスでした。冬場は最低気温がマイナス60度(ただし華氏での気温です)にもなるというまさに極寒の町です。オーロラは、主に冬場に見られることが多いということで、残念ながら私が訪問していた時期には、オーロラのオの字もなかったのは残念でした。毎年2月が最もオーロラの見られるシーズンだということで、日本からはJALがチャーター機をフェアバンクスまで飛ばしてオーロラツアーを敢行して、多くの日本人観光客が押し寄せるのだそうです。
 
オーロラは真冬の風物詩ですが、私の行った5月終わりから6月初めにかけては、この地域一帯は真夜中でも日が完全には沈まない白夜となります。いちおう日の入りは午前1230分ごろということになっていますが、それでも夜のしじまの暗闇という感じではありません。空になんとなく日が残っているような感じで、灰色がかった空の色です。確かに白夜と呼ぶのに違和感はありません。そして日の出は、午前3時半ということで、一応太陽が姿を消しているのは3時間ほどですが、その3時間も外は暗くはならないのです。こんな白夜の季節には、物好きなゴルファーが世界中から集まって、午前零時からのティーショットをスタートするのが恒例となっていて、アラスカのゴルフ場は、午前零時からの予約がどこも一杯なのだそうです。
 
午後7時半過ぎに夕食を食べにお客様と一緒にフェアバンクスのダウンタウンにあるタイレストランまで繰り出しました。レストランはとても込み合っていて、お店の人がオーダーを取りに来てくれたのが午後8時をまわっていました。そこそこ美味しくてスパイシーなタイフードの食事を楽しんだ後、時計を見ると10時をとうに過ぎているではありませんか。それでも外は一向に暗くなる気配さえありません。食事に出たのが少し遅くて、しかもお店が混んでいて食事にありつけるまでに1時間近くかかったので、長年の習慣からすれば、とうに夜のしじまがどっぷりと落ちていて、眼をこすりながらホテルに引き上げていく時間であるのに、これだけまだ外が明るいというのは、異次元にいるかのような不思議な思いを感じざるを得ませんでした。
 
お客様からも次回は、オーロラが見られる真冬にぜひお越しくださいといわれ、白夜の不思議なたたずまいにすっかり魅せられた私は、その気になって今度は真冬にお会いしましょうと皆様に宣言して回っていました。私は、まだ若かりし頃の20代前半に出張で北海道の真冬の帯広まで訪れたことがありました。そのときの帯広の中央にあった銀行の電光掲示板をふと見上げると、何とマイナス30度(こちらは、もちろん摂氏の表示です)という信じられないような数字を示しているではありませんか。それでも鼻や耳の中が凍ったというようなことはなかったように思います。80年代の初めですが、当時の日本は、本当に寒かったのでした。でも華氏でのマイナス60度がどれくらいの寒さであるのか、次回真冬のフェアバンクス訪問時にこれは体験してみるしかありません。
 

フェアバンクスを少し北にいくと、North Poleという小さな町があって、そこは町全体がサンタクロースが本当にいるような気配がたたずむメルヘンの町でした。ハイウェイ沿いに巨大なサンタクロースの像が立っていて、サンタクロースの家というところがありました。確かに映画な度で見るサンタクロースの住所はNorthPoleとなっていましたね。町にある食料品店も自動車修理工場も1年中クリスマスデコレーションで飾られている不思議な町でした。子供たちは大喜びしそうな町ですね。孫でもできたら連れて行ってあげたいようなところでした。