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8月エンドから9月の頭にかけて約2年ぶりにニューヨークまでHR(人事)セミナーを行うために出張しました。今回も“レッドアイ”と呼ばれる夜行便のフライトを使ってデトロイト経由のデルタ航空でニューヨークまで入りました。エコノミー席の狭いシートに納まってうたた寝程度しかできない状態で真夜中近くに飛行機は出発するものですから、夜明け前に東海岸に到着した乗客はみな目を真っ赤に腫らせてステップから降りてくるというので、レッドアイ(Red Eye)フライトと呼ばれています。自分の目も本当にレッドアイになっていたかどうかは定かではありませんでしたが、夜行便を使って行った強行軍の割には、はるばるとニューヨークにたどり着いてもそれほどの疲れは感じていませんでした。
 
それは、ニューヨークというとても刺激的で世界中の人々が集うこの大都市が、私が訪問するたびに自分の第二の故郷でもあるかのような錯覚をいつも覚えさせてくれるので、仮にほとんど夜中寝ていなくても体だけはというのか、私のDNAはこの大都会での感覚をどういうわけかはるか昔の記憶に刻んでいて、頭脳はいたって覚醒状態にありました。今回はマンハッタンの南に位置しているグラウンドゼロの近くも初めて通りました。植樹がきれいになされている911メモリアルパークがそこに静かにたたずんでいるほかには、91110周年が10日前に迫っていたこともあり、パトカーと警官の数がやたらに多いのが目についたぐらいで、いたって日常的な風景でした。ですから、ここがグラウンドゼロだと誰かから教えてもらわなかったなら、ひょっとして足早に素通りしていたかもしれないほどの空間でしかありませんでした。
 
私がニューヨークが大好きな理由は、やはりここはとことん金融をはじめとしたビジネスとファッション一辺倒の大都会であるからだろうと思います。もちろん、ミュージカルや演劇、絵画や音楽などの芸術のメッカでもあり、大リーグやNFL(プロのアメフトリーグ)などのメジャープロスポーツチームが軒並み肩を並べ、さまざまな宗教関係者も数多くいらしています。そしていまだに世界中から観光客をこぞって呼び寄せ、ショッピングやエンターテイメントに血眼にさせ、世界中のありとあらゆる食材や料理が惜しみなく振るわれます。その規模といいその多様性といい、このような鼓動を続ける大都会はニューヨークをおいては私はほかではどこにも経験したことがありません。
 
今回は、ニューヨークにあります日系企業様とのタイアップで、HRに関してのいくつかのセミナーを開催できたのが、ニューヨークまで出張することのできた大きな目的でした。仕事のために出張するのでなければ、西海岸から最も遠く離れたアメリカの東海岸まで花見遊山気分で、いくらニューヨークが大好きだからといえどもそうそう通うことなど普段は思いもよらないことです。しかし、このように自分のHRセミナーがニューヨークで開催できて、しかも私のセミナーを日系企業の方々に大変喜んでいただくことができたというのは、ちょっと不思議な感じでもあり、日系企業様とのかけがえのないパートナーシップと信頼感を通じて、こうやってニューヨークまで来ることができたことへの深い感謝と誇りの念を抱きました。
 
私が訪問していたときは、ニューヨークの日中は30度以上の真夏日で、湿度も夏はカラカラに乾燥した西海岸と比べるとそれなりにありますので急ぎ足でマンハッタンのミッドタウンを歩いているとかなり汗が出てきました。それでも東京の真夏日とは比べられないほど、まだまだ快適な湿度であり、気温でした。女性の服装も西海岸以上に露出部分の大きい大胆なファッションをさりげなく着こなしている方々が特に多いように私の目には映りました。地下鉄の駅の構内はまったく空調がなく、ときおり熱風がどこからともなく吹き上げてきて、日本以外で経験するそれはものすごい猛暑の空間でした。地下鉄の車両が到着して、中に乗り込むとその中は寒いぐらいにビンビンに空調が効いていて、その温度差に思わず度肝を抜かされます。
 
まもなく91110周年を今年迎えるにあたり、この10年間でアメリカの国力、特にアメリカが従来維持してきたソフトパワーは相対的に随分と低下したように思います。アルカイダのかつてのテロ首謀者ももはやこの世にはおらず、その報復があるのではないかと恐れて万全の警戒態勢だけは抜かりのないニューヨークのたたずまいでした。現実としてかつての国力を感じさせないアメリカの大国としての進むべき道は、今後どのような変遷をたどっていくものなのか、エコノミストでもないこの私には予想することさえ難しく感じます。今後、自分のセミナーやビジネスでニューヨークには、2年に1回ではなく、もっと頻繁に行けるように日系パートナー企業様との間で本格的な体制作りに励みたいと思います。ニューヨーク、そして近辺にいらっしゃる方々には、今後ともお近づきとなれますよう、引き続きまして何とぞよろしくお願い申し上げます。
 
 
P.S.パシフィック・ドリームス社のサイトにも是非お立ち寄りくださいね。http://www.pacificdreams.org まで。