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先週の週末は、金曜日の午後から仕事を抜け出して、妻とともに車で、セントラルオレゴンにあるFossilというところに23日で行ってまいりました。Fossilというのは、英語で「化石」という意味で、人口400人ちょっとの山間の小さな町の中心部に、化石採掘場があって、化石を掘り出すために人々が遠くから訪れます。私たちは、地質学や考古学に関しては、ほとんど関心を持っていませんので、化石目当てにこの小さな山間の町まで車で5時間か気手はるばるやってきたわけではありません。
 
妻の友人で、私も知っているパティという女性がいて、彼女が毎年必ず訪れる隠れ家のようなB&B(ベッド&ブレックファースト)の宿があるということで、彼女と彼女のボーイフレンド、そして彼女の前ボーイフレンド(英語では、”Ex-boyfriend” と呼びます )の息子さんと彼のガールフレンドの6名、車2台で出かけました。Fossil にあるそのB&Bは、牧場の中にある一軒家をB&Bに仕立てたファームハウスで、東京ドーム100個分以上のスペースの中にその家一軒と牧場(英語では、Ranchといいます)の納屋があるだけで、あとは、見渡す限り、馬と肉牛の放牧地、そして山々が果てしなく見えるだけの西部開拓時代そのままの原野です。
 
牧場主のご夫妻とご夫妻の娘さん夫婦とが、B&Bを経営していて、もちろん本業は牧場の方で、B&Bに泊まるお客さんのために乗馬のアトラクションも提供してくれています。実は、私たち夫婦のFossilにやってきた主目的は、友人たちと過ごすということもありましたが、このB&Bで乗馬(英語で、House Back Ridingといいます)をするというところにありました。乗馬はもう10年以上もやっていませんでしたが、10年以上前は、毎年のようにオレゴンのどこかでやっていたことがありましたので、昔取った杵柄(きねづか)はそうまんざらでもなかったのです。
 
土曜日の午前10時半から私たち夫婦を含めた総勢7人の宿泊客と牧場主の娘さん夫婦が案内役で乗馬が始まりました。乗馬といいましても、まさに西部劇の映画に出てくる世界そのものです。乗馬コースのような場所があるわけでもなんでもなく、とにかく人が通れないような原野や山の中をどんどん馬に乗ってかき分けて進んでいくというものです。馬に乗りながら、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのかつての名作「俺たちに明日はない」のシーンが脳裏によみがえってきました。まさに、あの映画に出てくるようなシーンの中を乗馬していると思っていただけたら、ほぼ間違いない光景となります。
 
以前乗馬をした経験からしてせいぜい2時間ぐらいが限度で、そうでないと乗馬後に襲ってくる筋肉痛が半端でないということを体験していましたので、あらかじめ2時間がマックスと伝えていたのですが、10時半から始まった乗馬は、無事山から下りてきて厩にたどり着いたのが午後1時半で、たっぷり3時間の乗馬体験となりました。かなり急勾配の道なき道のようなところを馬で登りましたが、登りはまだよいのですが、下りが馬に乗っている人間も腹筋と足の筋肉の両方が試されまして、体力的にも相当にきつい場面が後半続きました。それでもやっと山を下りて平らな林道にでることができると、平らな道での乗馬はなんて楽なのだろうと思ってしまうほどの違いでした。
 
さらに林道から農道へと出ると、そこには、別の牧場の一軒家があり、こんなところまで人間が住んでいるのかという感慨を抱きました。すると、私の乗っていた馬が急に止まってしまい、一歩も先に進もうとしないのです。馬に鞭を入れてもブーツの先で中腹を蹴ってもウンでもスウでもないのです。これはどうしたことかと思っていると、私だけがついてこないことに気が付いた娘さんが戻ってきてくれて、私の馬の前に彼女の馬を付けてくれました。 そして再度鞭を入れるとやっと私の馬は恐る恐る前進し始めました。あとで娘さんにお聞きしたら、私の馬は、牧場の一軒家の軒にかかっていたブルーのシートに目が行ってしまって、そのシートが怖くて先に進めなかったので、シートが見えないように彼女の馬で視界を遮ったのだということでした。
 
私の馬は、確かに登りも下りも慎重に足場を選んで進んでくれているなと感じていたものですから、もともととても気の弱い馬であったようです。ですが、さすがに毎日馬と生活をしている人だけあって、馬の表情やまなざしで瞬時にどんな問題に遭遇しているかを判断できる直感というのか、動物の心を読める能力には、感銘を抱いた次第です。ということで、この久し振りでの乗馬の体験から、友人のパティがどうしてこの人里離れた遠隔地に魅了され続けてきたのか、よく理解することが出来ました。私もそして妻も完全にこのB&B、そしてここで暮らす牧場の人々に魅了されてしまったのです。私たちも恐らく毎年、このB&Bのこの場所に戻ってくるのではないでしょうか。ウェブサイトがとてもよく出来ています。wilsonranchesretreat.com  までぜひご訪問ください。 
 
 

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