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私の住むオレゴン州セーレム市から北東に20マイル(約32キロ)ほど行ったところに、マウント・エンジェルという人口3,500人ほどの小さくて、とても可愛らしい町があります。 この町で、オクトーバーフェストと呼ばれる秋のお祭りが9月のこの週末にありましたので、妻とともに出かけてみました。 まだ9月であるのにオクトーバーフェストとは、一月早いのではと思いますが、40年以上にわたるこのマウント・エンジェルのこのドイツ所縁のフェスティバルは、常に9月に開かれている恒例の一大イベントなのです。 なにしろ、オクトーバーフェストが開かれるこの週末には、町の人口の100倍に匹敵する人たちがこのフェスティバルに押しかけます。 小さな街の目抜き通りは、人ごみの中を掻き分けるようにして前に進むのがやっとという有様です。

ということで、私たちが出かけた土曜日の午後も相当な人手がすでに出ていて、午前中に降ったにわか雨もすっかり上がって、薄日が射すまずまずの天気でした。 マウント・エンジェルのオクトーバーフェストは過去に2,3回足を運んだことがあったのですが、恐らく、20年ぶりぐらいの再訪でしたが、町の趣は、20年前と何ら変わってはいませんでした。 この町の名前は、もともとはスイスにあったローマン・カソリックの伝道派が、この地を訪れ、ここに1880年代に修道院を建設し、スイスの故郷の名前であった、Engelbergを英語に翻訳して、マウント・エンジェルと名づけたのがこの町の名前の由来だそうです。

町の後方には小高い丘があり、その頂上に瀟洒な修道院があります。 私は、てっきり、スイスから訪れた伝道者がこの地の丘の上で天使の来訪を予見したので、マウント・エンジェルという名前が付いたのかと長らく思っていましたが、伝道者の出身地であったスイスの故郷の名前であったのです。 しかし、修道院のある丘を遠めに眺めてみると、天使が来訪してもちっとも不思議ではない霊感をたたえた神聖な場所だと、修道院にはまったくの門外漢の私でさえ、長年そのように感じていました。

そのような神聖な小高い丘をいただいたこのマウント・エンジェルの下界に目を凝らしてみますと、この9月のオクトーバーフェストでの、酒とドイツの伝統食、そして賑やかな音楽と踊りとに溢れた3日間が毎年展開されるのです。 オクトーバーフェストで供されるドイツの伝統食のナンバーワンといえば、大降りのポーク・ソーセージとサワークラフトの盛り合わせです。 アメリカのホットドックに比べても、ソーセージの大きさが半端ではなく、これで結構お腹が膨れてしまいます。 さらに様々な甘いデザートがたくさん売られていて、私たちが食べたのは、日本のジャムパンのようなものでしたが、日本のサイズと比べるとかなり大きいので、デザートでさらにお腹は膨れてしまうのでした。

街の中央には、ドイツ風の立派な時計台があって、毎日決まった時間になると、時計台からこの町の歴史をあしらった人形が出てきて、音楽とともに回転運動をします。 ちょうど午後4時にその人形たちが時計台からお目見えするということで、私たちも人形が出てくるのを見守っていました。 音楽もドイツ語で歌われるエーデルワイスなどの親しみのある音楽でしたが、ドイツ語というのは、普段聴き慣れていないせいか、随分とゴツゴツとした発音で、英語との違いを感じさせてくれました。

オクトーバーフェストに設けられたビア・ガーデンは、生演奏やダンスが途切れなく開催されていて、とても楽しそうだったのですが、入場料だけで一人7ドルも取られるということで、ビア・ガーデンへの入場は、遠慮することにしました。 特に車で来ている身で、お酒にあまり強くない自分などにとっては、ビア・ガーデン入場は、イコール酒酔い運転という結果になりえますので、当然のことながら自重した次第です。 中には、大型の観光バスを仕立てて団体を組んできている年配の方々もそれなりにいたようなのですが、大多数は私のように近隣から車をすっ飛ばしてきた人たちばかりだと思われます。 会場の周辺には、警察官やパトカーも止まっていましたので、酒酔い運転で摘発されるような人もいたのではないでしょうか。 それとも、1年に1回のこの伝統的なフェスティバルの期間だけは、警察も見てみぬふりをしたのでしょうか。 ちょっと気になりました。


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