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今年は、6月と7月と日本の梅雨の真っ盛りに立て続けに訪日する機会に恵まれました。 6月の訪日では、雨の降る日よりも晴れの日が多かったのですが、7月の訪日では梅雨が明けたはずの関東地方なのに、ほぼ毎日雨が降る生憎の1週間で、出勤時には、折りたたみ傘を毎朝しのばせなければならない出張でありました。 雨が毎日降りますので、湿度の高さには閉口しました。 恐らく90%前後の湿度が毎日続き、洗濯物がなかなか乾かないという事態を久し振りに経験しました。 ただ、お天気がよくないので、気温はそれほど高くならず、ただムシムシとして、不快感に堪える東京でした。

そんなじめじめとした中で、やはりこの湿度があるからこそ、味わえる日本独特の文化や風物があることもあらためて発見しました。 逆にそれらの風物は、湿度のほとんどない欧米、特にアメリカ西海岸では味わえないものばかりでした。 例えば、花火大会ですが、隅田川沿いでの7月恒例の花火大会には、何と2万本以上の花火が夜空を彩り、私の実家のある東京葛飾の家からでも空が赤く染まっていくのを見ることが出来ました。 もちろん、アメリカにも花火大会はあるのですが、毎年7月4日のアメリカ独立記念日だけ、唯一花火を上げることが許されているだけで、大晦日の日を除いて、他の日に花火の打ち上げを行うと原則、違法行為となり、警察の取締りの対象となってしまいます。

しかも7月4日は、私の澄むオレゴン州では夜になると気温がまだ下がって毛布をくるみながら、川縁で凍えながら花火を鑑賞するというもので、日本のように縁側に出てうちわで涼をとりながら、生ビールを一杯という感覚からは、程遠いところがあります。(通常、花火を見るような川べりにあるシティパークでは、アルコールの持ち込みはご法度となっています。) 女性の浴衣姿も以前より増えているのではないかと思うほど、今年は目立っていましたようでしたし、男性にとっては、女性の浴衣姿はいつになっても目の保養ともなり、日本の夏を感じさせてくれる風物詩です。

アメリカの西海岸には、蛍もいません。 日本は各地で清流を取り戻す運動が効を奏して、蛍もよみがえったニュースを耳にしましたが、蛍のような昆虫は、そもそも湿度がないところでは、生息すらできないようです。 その意味で、日本は、この高湿度のおかげで、気候的には昆虫にとってはまさに天国となっている感があります。 昆虫といいましても、蚊やゴキブリのような害虫も多いですが、湿度のほとんどない乾いたアメリカ西海岸は昆虫にとってはまさに鬼門の場所で、少年時代は大の昆虫好きであった昆虫少年の私に、悲しいかな、益虫も害虫もほとんどその姿をこちらでは見せてくれません。

夜明け前から、セミのジージーと鳴く声がして、時差の影響でタダでさえも浅い眠りであるところをセミの騒がしい鳴き声でたたき起こされてしまいます。 アメリカ西海岸では、セミもほとんどいませんので、日本の夏を我が物顔に謳歌するセミの存在と云うのも、やはり日本の湿度のなせる業なのだなとつくづく感じます。 日本の夏祭りと云うのも、昼間ではなく夜の行事という感じで、昼間は暑すぎてお祭りどころではないわけですが、日本の夜は、湿度があって、家の中にこもっているよりは、涼を求めて外に出かけて、夜店を見てまわったり、盆踊りに興じたりするには、うってつけの気温であり、湿度なのではないかと思います。

アメリカ西海岸の夏行われる日本の夏祭りに近いサマー・フェスティバルは、大体昼間の行事が中心で、夜は、まだ日が長いうちなのですが、8時ぐらいにはすべてのプログラムは終了となってしまうところが多いようです。 それは、日本の夏の夜に比べて、気温がかなり低くなるので、涼を求めて外に出かけるという雰囲気ではなくなるわけです。 花火大会も毛布を持参して暖を取りながらの見物となります。 直射日光の日差しの厳しいアメリカ西海岸の日中に行われるサマー・フェスティバルは、熱中症や脱水症状との戦いとなり、情緒的なところは感じられません。人々は、とても親切なのですが、やはり湿度がないように、ドライな感じです。

日本の家族も核家族化が進み、特に都会ではドライな人間関係が今後とも進行していくように伝えられていますが、実際のところはどうなのでしょうか。 人間関係のメリハリは、確かに気候、特に湿度に関係しているように思えます。 ウェットな気候の日本で、人々だけがドライになっていくとしたら、それはやはり自然の摂理に反したことにならないでしょうか。 アメリカでも、湿度の高い南部にたまに行くと、西海岸の人たちとは随分違うなと感じることがあります。 その地域の気候や風土に合った食べ物や風情があるのですから、人間関係が皆アメリカナイズされたグローバリゼーション化の必要はさらさらないと思うのですが。


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