イメージ 1

6月24日(水)から幕張メッセで3日間かけて行われた、第2回PV-Japanに参加してまいりました。 国際展示会としては、かなり小規模なショーではありましたが、“山椒は小粒でもピリリと辛い”と呼んでもよい内容があったのではないかと感じました。 本日のブログは、このPV-Japanの参加報告となります。

まず、PV-JapanのPVですが、何の略語であるかお分かりでしょうか。 恐らく聞いたことのある方は多いでしょうが、実際の略語のフルスペルまでお知りの方は少ないのではないかと思いますので、ご説明しますと、PVは、“Photovoltaic”の略語となります。 発音は、“フォトボルタイック”です。 訳語としては、「太陽光発電」が最も近いのではないかと思われます。 まだまだ新しい言葉ですので、アメリカ人の多くもまだ馴染みがなく、業界関係者以外では、知っている人の方が圧倒的に少ないようです。

このPV、すなわち太陽光発電には、3つの要素技術からこの産業の骨格が成り立っていることを今回のPV-Japanを見学して知らされました。 それは、太陽光を電気に変換するための素材ならびにデバイスとしての太陽電池(ソラーセル)、太陽電池を組み合わせた太陽光パネル、そしてパネルで発電させた電気を蓄電したり、コントロールする制御機器の3つの分野に大きく分けられると云ってよいのではないかと思われます。

PV-Japanでは、それら3つの産業事業分野の総合展示会と呼んでよいものだったと思います。 日本は、特にシリコンなどの素材を使って太陽電池を製造する分野において一日の長があり、多くの出展社が材料や製造装置における技術を競っていました。 伝統的に垂直統合型のビジネスモデルを得意とする日本の大手電機メーカー各社は、太陽電池の素材であるシリコンの製造から太陽光パネルの組み立て、そして太陽光発電の蓄電や制御機器までを一貫して製造し、システムとして取り組んでいます。

しかしそれでも各社の展示を通して詳細に比較してみますと、川下から川上までの太陽光発電すべてを満遍なく網羅している大手メーカーは実際にはそれほど多くはなく、どこかの特定分野に持っている経営資源を集中していると云うことがわかります。 例えば、東芝ですが、東芝は伝統的に重電に強い歴史があり、その歴史に見合うべき技術として、太陽光発電の分野でも制御機器やマイクログリッドと呼ばれる地域一体型のインフラ・システムの構築に特に力を注ぎ込んでいることを観察することができました。

それに対して、京セラやシャープ、そして三洋電機などは、太陽電池ならびに太陽光パネルの製造に集中しているとの観察ができます。 京セラは、トヨタのハイブリッド車である第三世代のプリウス新型車(日本では5月中旬に発売開始)の車体屋根に初めて搭載される太陽光パネルとしてその採用が決まったということで、ひときわ展示会でも注目を集め、大勢の見学者を集めていました。 また、本田技研の子会社で太陽電池専門のホンダソルテック、やはりカネカの太陽電池の専門子会社、カネカソーラテックなど、太陽電池ならびにパネルに特化した大企業の子会社の展示ブースにも大勢の人だかりができていました。

今回のPV-Japanのショーには、アメリカ州政府が協力してブースを出されており、我がオレゴン州政府も人通りのよいブースの一角に陣を張られていました。 私もオレゴン州のブースには、あつかましくも時々顔を出させていただきましたところ、昔オレゴン州にいましたとか言われて、懐かしそうに立ち寄っていただける方が多いのに感心いたしました。 やはり、オレゴンに行ったことのある日本人の多くの方々にとって、オレゴンはいつまでも忘れることの出来ない心の故郷であり、永遠の思い出となっていることを垣間見た思いでした。 これからもその素晴らしいイメージを継続させながら、企業誘致になんとかしてまた弾みをつけて欲しいと願わずにはいられませんでした。 私も微力ながらも、そのお力になりたいと切に感じた次第です。


PS. パシフィック・ドリームス社のサイトにも是非お立ち寄りくださいね。サイトは毎日更新しています。http://www.pacificdreams.orgまで。