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アメリカの住宅バブルを象徴する典型的な事例として、サブプライムローンの問題がほぼ毎日のようにいまだマスメディアを賑わせていますが、アメリカではすでにこの住宅バブルの危機は、単に信用力が低いとされるサブプライムローンの借り手からの焦げつきに端を発する問題だけにとどまらず、返済能力があるとされてきたプライムローンの借り手からの支払いの焦げつきも新たに住宅ローンの事態悪化にさらに拍車をかけていることが次第に分かってきました。

私が住んでいるオレゴン州セーレム市の西側丘陵地帯にここ2000年あたりを境目にして新築され続けた相当数の瀟洒な大型の住宅のほぼすべては、プライムローンの借り手による購入だったはずなのですが、今となっては、サブプライムとプライムローンの差は、ほとんど意味を持たなくなってしまった感じです。 私のまわりには、約20軒ほどの中流よりやや上に位置する住宅が公園の周りに集まる、環境的にも大変恵まれた一角ですが、先月後半になってこの一角としては初めて、とうとう銀行による住宅の差し押さえがあったことが発覚しました。 この銀行による“差し押さえ”のことを英語では、“Foreclosure” (フォークロージャー)と呼ばれます。

フォークロージャーとなりますと、今までは、不動産会社の立て札が前庭に出されていたものが、フォークロージャーと書かれた立て札に変わり、家のドアノブが交換され、もはや銀行関係者しか住宅に入ることができなくなります。 このフォークロージャーとなった近所にある住宅は、長いこと住宅購入者が不在で、恐らく失踪してまったく音信がつかめなくなった模様なのです。 これでは、不動産会社もどうすることもできなくなりますので、後は銀行に任せるしかないということで、このフォークロージャーの手順に突き進むことになります。

1軒でも自分たちの住んでいる地区にフォークロージャーの家が現われますと、その家の管理やメンテはまったくなされなくなりますので、前庭の芝生は枯れ果て、雑草が一面にはびこり、家の状態が目に見えて悪化していくことが分かります。 それは、地域全体にも悪影響を及ぼし、軒並み、その地区にある他の住宅全体の資産価格の下落へとつながります。 その意味では、私たちの家も例外ではなく、いい迷惑を被っているといえるのです。

現在、住宅価格が著しい下げに転じていますので、住宅の新規購入者にとっては、確かにバイヤーズマーケットということで、今は、願ってもない住宅の買い時なのでしょうが、逆に銀行や住宅ローン会社は、ここにきて住宅の新規購入者審査をより厳格化してきています。 そのために、以前ではキャッシュによる頭金がほとんどなくても、低金利で容易に借りられた住宅ローンが今では、事前審査ではねられるケースの方が多く、買いたくても買えないという悪循環が、このバイヤーズマーケットの中で進行しているといいます。

アメリカのこのすさまじい住宅バブル、しばらくは静観するしかないような状況です。 これで、さらに景気全体が悪化して、物価上昇率や失業率などが上がれば、バブルの出口がますます見えにくい状況になります。 日本の福田政権もそうでしたが、アメリカのブッシュ政権も長いことまったく機能停止状態に陥っていますので、この未曾有の住宅バブルはかなり後々までアメリカ経済に相当なマイナス影響を残しそうな気配です。



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