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前回書いた続きです。コロラドのデンバーまで雪上車の組み立てと試運転の通訳兼プロジェクト・コーディネーターとして出張した体験記です。ピークは標高11,000フィートを超える、スキー場の建設場所での雪上車の試運転は、私にとって忘れられない体験となりましたが、この場所は、デンバーから車で45分ほど西に走ったところにある、アイダホ・スプリングスという温泉町からロッキー山脈の奥深くまで車で登っていたところにあります。

昔は、アイダホスプリングスには金の鉱山があり、今でもその鉱山の採掘現場が残されていて、見学ができるようになっています。その谷間にあるのが、アイダホ・スプリングスという温泉の涌き出ている、まさに日本でいうところの温泉町になっているのです。温泉町でありますので、いくつかの温泉旅館ならぬ、温泉ホテルが点在しています。この町の歴史は古く、金の採掘のために多くの人々が移り住み、1869年には、ほぼ今のダウンタウンや老舗の温泉ホテルも出来上がっていたということです。

私たちが泊まった温泉ホテルは、やはりその中でも一番古い老舗のホテルで、外見はかなり老朽化して見えましたが、ホテルの中の部屋はきれいに改造されていて、普通アメリカの田舎にあるモーテルといった感じでした。温泉がわいていると書きましたが、ここはアメリカですので、室内のプールのような温泉を水着を着て入るという様式です。ホテルの中には、露天風呂で水着なしの混浴施設もどこかにあるということをチラッと聞きましたが、まあそのような宿を探している暇などあるわけもありませんでした。

宿泊したホテルにあるプールのような室内温泉場も水着も持ってきているわけではありませんでしたので、ただ外から眺めるだけで終えることにしました。地元の人によれば、コロラドのロッキー山脈の中ではいたるところで温泉が涌いているということでしたので、秘湯探しなどという日本的な旅だって、きっと可能だろうと想像の翼を広げてみました。

そして最後に特筆すべきは、1888年に出来上がったというこのアイダホ・スプリングスのダウンタウンの街並みは、なかなか味わいのある街並みで、西部開拓時代を彷彿とさせてくれる光景でした。車をシャットアウトし、映画のロケ隊がカメラをまわして、馬車や馬を走らせれば、もう完全に西部劇の世界にそのままタイムスリップです。

外見はひどく古いながらもいくつかのこぎれいなレストランで食事をしましたが、それらレストランの中は、素晴らしいインテリアデザインに飾られていて、思わずうっとりしてしまいました。やはり日本とは違いますが、アメリカの温泉町にも独特の空気があって、なんとなく小さな町を思わずそぞろ歩きしてみたくなる、そんな雰囲気というか、情緒がそこはかとなく漂っています。

このような温泉町の雰囲気は、日本だけの専売特許かと考えていましたが、それはどうも違います。アメリカでも温泉町の空気は、なんともいえない空気でした。また行ってみたいですね、アメリカの温泉町に。こんどは、スキー場はオープンした暁には、通訳ではなくて、スキーと観光で足をぜひとも運びたいと思います。もちろん、女房を連れてですが。



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