プロビデンスやボストンは、アメリカの北東部(ノースイースト)に位置しており、ニューイングランド地方と呼ばれる、アメリカとしては最も歴史のある地域になります。プロビデンスからボストンまでの移動の中で、いくつかの小さな町を通り抜けてまいりましたが、町の入り口に書かれたボードには、町が設立した年が書かれてあるのですが、1600年代であるとか、1700年の初頭であるとか、アメリカに関していまだ歴史の浅い国としてのイメージを強く抱いていた私としては、これはちょっとしたカルチャーショックでした。
町のダウンタウンには、レンガで建てられた荘厳なカソリック教会の建物が中央に位置しており、アメリカというよりはどこかヨーロッパの小都市に突然紛れ込んでしまったような錯覚にさえ陥りました。家の作りも相当昔ながらの古風な建造物がほとんどで、至る所で住宅用の土地開発が進み、個性のない家ばかりが雨後のタケノコのように建てられているオレゴンの住宅開発事情とはまったく違った、とても落ち着いた雰囲気を感じ取ることができまして、ちょっとホッとした気持ちを抱きました。
ボストンは、周辺に世界で冠たる歴史と頭脳に満ち溢れたいくつもの超名門大学が林立しており、昨日はハーバード大学の校門前まで地下鉄を使って見に行きました。また古風な大学図書館のようなブックストアの中もどんな本が置いてあるのかと一通り見て回りました。そのほかにも外から眺めただけではありますが、マサチューセッツ工科大学(MIT:Massachusetts Institute of Technology)やボストン大学(地元ではBU:Boston Universityと呼ばれています)もすぐ近くまで行き、大学の規模の大きさに眼を見張りました。
私の娘は、今大学3年生(ジュニア)を終え、8月後半から始める大学4年生(シニア)を迎えるのでありますが、すでに大学院に進学したいということを言い始めておりまして、その進学してみたい大学院のリストのひとつがこのボストン大学のアート・インスティチュートだということで、どんなところなのかを今回せっかくだから見てきてほしいと言われました。娘が現在通っている大学は、UPS(University of Puget Sound)という私立のリベラルアート系のとてもこじんまりとした規模の大学なのですが、その大学に比べボストン大学の巨大なキャンパスはたぶん娘の許容範囲をはるかに超えるところではないかと思い、親としては、リストからはずすことを娘に箴言するつもりでいます。
ボストンは、当然ですがそれなりに大都会で、ダウンタウンはまるで都心のようにさまざまな人々でごったがえしていました。それは、世界各国から優秀な人材を引き寄せているからなのだろうと感じました。私の滞在したブルックラインというボストンのすぐ西側にある町も、ボストン大学があるので、大学に通う学生の住む多くの寮があり、若い人たちで賑わっていました。またこの町は、かのジョン・F・ケネディの生まれた町としても有名で、たまたまだったのですが、彼が通ったという公立の小学校を見ることができました。彼の生まれた生家もこの町で保存されていて、見学コースになっているようでしたが、時間の関係で残念ながら訪れることはできませんでした。
アメリカで最も歴史と文化とを感じさせるこのニューイングランド地方、私の住むオレゴンとは一味もふた味も違う趣にあふれた、古き良きアメリカをノスタルジックに感じさせる土地なのではないかと思います。ボストン特有のアクセントの効いたちょっと独特な英語も耳が慣れるまでは、リスニングに少し苦労しましたが、だんだんと慣れてまいりますと、味わいのある英語に感じられます。緑が多い点ではオレゴンと似通った自然環境でもあり、もしオレゴン以外で住みたいところがアメリカの中にあるとするならば、きっと私はこのニューイングランド地方を選んでいたのではないかとさえ考えます。
PS. パシフィック・ドリームス社のサイトにも是非お立ち寄りくださいね。サイトは毎日更新しています。http://www.pacificdreams.org
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