イメージ 1

先週初めて「営業セミナー」なるものにアメリカで参加してきました。Sandler Sales Instituteというところが毎月ポートランドにあるホテルの部屋を使って行っているセミナーで、どこで私のメールアドレスを取得したのか知らないですが、けっこう前から毎月必ずセミナーの案内をメールでもらっていました。

私の経営するパシフィックドリームスで今最も緊急を要する課題は、売上アップを実現するにはどうしたらいいのかということで、それには当然のことなのですが、営業をして新規顧客開拓と顧客獲得をしていかなければならないということはよく理解しているつもりです。しかしながら、私も会社経営をしながら、新しい企画を打ちたて、10名いる社員の管理や評価をし、会計経理や税金支払いの責任も全うし、ということになりますと、営業にかける時間というものが本当に限られてしまいます。しかも営業というものは、営業したからといって明日から来週から新規受注が舞い込んでくるわけではないものです。非常に忍耐の必要な長期的プロセスであり、かといって営業をしなかれば、やはりいつまでたっても新規顧客の獲得は実現できませんので、このようなジレンマを抱えて悩み深い毎日が送っているところなのでありました。

今回参加した営業のセミナーは、”Break the Rules – Close More Sales!”というタイトルで、セールスをクローズする、つまりは、「営業で成功裡に商談を取りまとめる」テクニックの伝授であると勝手に解釈をしました私は、これは自分に欠けているものが学べるかもしれないという淡い期待感の下にたまたま電話をもらったこのSandler Sales Instituteの主宰者であるJeff Sandlerにセミナーの申し込みを快諾したのです。それと同時にアメリカに来てからこの方、営業セミナーというものを受けたことが一度もありませんでしたので、一度受けてみたいという気持ちも確かに働いていたことも事実でした。(日本では、営業をやっていたことがありましたので、それらのセミナーやトレーニングはいくつか受けたことがありました。)

セミナーの会場は、古いホテルの暗い小さな部屋でそこに10名ほどの参加者が集まっていたでしょうか。私はセミナー開始ギリギリで駆け込みましたが、よくもまあこんな狭くて暗い部屋を会場にしたものだなというのが第一印象でありました。弊社パシフィックドリームスでも異文化セミナーや人事管理セミナーをほぼ毎月行っていますので、セミナー会場の選定というものはセミナーを成功させる上では大変重要な要素であると考えています。

それでは本題のセミナーの内容は、どうであったのかと申し上げますと、1から5(1が最低で、5が最高)までの評価で表せば、せいぜい2がやっとではないかというものでした。このセミナーを主催して講師役のJeff Sandlerは、広告代理店出身の人だということで、年齢は、30代後半か40歳になったばかりぐらいでは思われる予想していた以上に若い人でした。つまり、広告代理店にいた彼は、本当に営業をやったことがあるのだろうかと思えるような内容のセミナーであったのが何よりも失望する要因になりました。

彼は、Sandler Sales Systemsなどとカッコイイ名前をつけて商談をクロージングする手順を紹介してくれたのですが、営業は、当たり前の話ですが、数式を解くように理想的な手順を経て進んでいくわけがないのです。Sandler Sales Systemsには何ら学ぶべきものを見出せなかった私でしたが、唯一収穫があったことは、セミナー参加者のさまざまな意見や質問を聞けたことで、営業で悩みを持っている人の中身はほとんど皆同じ悩みであるということを知らされました。参加者のほとんどはオフィスサプライや、保険、クレジットカードの決済サービス、人材派遣業など、アメリカでも“本当に泥臭い”営業をやっているような人たちばかりでした。彼らの営業に対する悩みと私の持っている営業の悩みが同じということは、恐らく営業で経験する悩みは、セールスピープル万人すべてに等しく共通しているものだということを知り、一種不思議な安堵感を覚えたものでした。



PS. パシフィック・ドリームス社のサイトにも是非お立ち寄りくださいね。サイトは毎日更新しています。www.pacificdreams.org