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今回のブログは、オレゴンについて、特にこちらに永住をして生活をする者としての視点で、書いてみたいと思います。私は、現在は、オレゴン州の州都でありますセーレム市に住んでおり、日本からこの地に移って、すでに19年が経ちました。会社のオフィスはセーレムとポートランドの中間にありますウイルソンビルという町にあります。中間といってもウイルソンビルは、ポートランドのダウンタウンからはフリーウエイ(I-5)が空いていれば車で南に20分のところにあります。行政上でもポートランドのメトロポリタン・エリアの一部に属しています。

私は、大学時代の短期語学留学をワシントン州でしたとき除いては、オレゴン州にしか住んだことがないので、他の州や都市と比べて、オレゴン州がどうだとか、ポートランドやセーレムがどうというのは、比較するのは公平さに欠けるかもしれないのですが、オレゴンとその中心地であるポートランドの魅力について自分なりの情報を皆さんにシェアしてみたいと思います。

まず、生活者の眼から見ますと、オレゴンは、生活の質を追求するのにこれほど恵まれた場所はアメリカでもそうざらにあるものではないということが挙げられます。アメリカは、どこに行っても豊かな大自然があり、大都市であっても車で30分も走れば、すばらしい自然環境に出会うことができるものです。しかしポートランドおよびその周辺の環境は、郊外での土地の乱開発を防ぐためのさまざまな行政上の規制やプログラムが完備されており、環境と人間が調和して都市開発が進められた地域としてとても有名だからです。地元の人もあまり知らないのですが、ポートランドは、都市としてのSustainable Growth(持続可能な成長)の成功モデルとして、日本やヨーロッパから多くの視察団が毎年訪れるほどなのです。

その例として、ポートランドをはさんで、東側のグレシャム市、そしてポートランド国際空港から西側のヒルスボロ市にまでのびているライトレールのひとつであるMAXと呼ぶ公共交通機関、さらにポートランドのダウンタウン内ではヨーロッパ風のストリートカー(市電)が路面を走り、市民の足として定着しています。これらの整備によって、都市内で起こる車社会の弊害を緩和し、歩行者や自転車に優しく、ネイバフッドとしての安心感や人々の自然な交流を促しているように感じます。しかもMAXやストリートカーは、ダウンタウン内では、すべて無料で乗り放題となっています。

ポートランドのダウンタウンにお越しの際には、車は市営のスマートパーク(1時間1ドル25セント)に駐車して、あとの移動は、MAXあるいは、ストリートカーをぜひともお乗りになってみてください。現在は、ダウンタウンからウイラメット川を越えたポートランド北東部に位置するロイドセンターまで、MAXの無料区間が伸びています。将来は、ストリートカーが、ダウンタウン南部のリバープレイスまで延びる計画もあるということで、生活者としてポートランドの調和の取れた発展には、これからも眼が離せないところです。